詩人:さみだれ
昨日の月は照れ屋だった
雲のシーツを被ってさ
なのにそこにいるってわかるんだ
光すら隠してるのに
そばにきた星のひとつが
背を押してくれた
震える手を握って
舞台にあげてくれた
その歌声は聞こえないけど
歌ってることはわかるんだ
黄道で見守る星座は
楽器を手に奏でだした
さそりは悲しみのヴァイオリンを
おうしは喜びのチェロを
ししは楽しいフルートを
おとめは寄り添うようなピアノを
月は地上を仰いで
高らかに歌った
僕らが朝まで眠れるように
幸せな夢を見られるように
その優しさに抱かれたまま
今夜はおやすみ
また明日