詩人:紙一重
彼女は悩むと夜更かしするくせがあった
彼女は自由奔放に見られることを好んだ
しかし心の中では人一倍臆病だった
自分を縛るものに対しては
とても敏感であり
悩み、相談し、時に怯えながら反抗した。
自分では人一倍心を縛っていたが
それには気づいていなかった
そういえば彼女の詩には
自由をテーマにしたものが多かった
小学校の文集では好きな言葉に
「自由」と書いていた
高校の授業で自を二つつかった熟語を聞かれて
最初に思い付いたのが
「自由自在」
そう、彼女は気づいていなかったけれど
ずっと前から
彼女は不自由だった
だからこそ、
自由を求めた。