詩人:野上 道弥
朱いビルの谷間に二人 影は伸びて重なったまま 二人はずっと見詰め合っていて 散歩を楽しむ犬に影を踏まれた あなたはそれを嫌って 私の腕を強引に引いた キスしよう って誘いかけて 街中をエキストラに 夕陽をスポットに 二人 舞うようにキスをした 犬が羨ましそうに私たちを見てた