詩人:望月 ゆき
しゃがみこんでいたら
かたつむりが横切ったので
雨はどうして降るの?
と、問いかけてみた。
かたつむりは
にょきにょきとツノを出しただけで
何も言わずに
つるりと通り過ぎた。
目玉だったかもしれない
穴を掘っていたら
ミミズが落っこちてきたので
地球の真ん中には何があるの?
と、問いかけてみた。
ミミズは
ずぶずぶと顔を穴に突っ込み
奥へ奥へと潜ってしまった。
お尻だったかもしれない
悲しいとき泣いたり
嬉しいとき笑ったりするのは
なぜ?
と、問いかけてみた。
あいにく
目も口ももちあわせてないから
泣いたり笑ったりなんて
しないんでね。
と、アメーバは鼻を鳴らして
答えた。