詩人:大示
あの時、最後に微笑んだのは何故 『さよなら』と呟くこともできなかった何度も繰り返し思い出す微笑み私は、あなたに捕らわれたまま 遠い昔に交わした約束を果たすからと暖かい季節を迎えずに雪を纏って旅立った白の中で、あなただけが不意にそっと笑っていたあなたの穏やかな笑顔を思う度にこの胸が高鳴り熱くなる泣けない私の代わりに銀の星が静かに明日へと流れていった