詩人:KiraAya
私の中には愛がない
ぜんぶ自分の為に使ってしまった
自分を愛する為に使ってしまった
愛されないのは構わない
価値がないことを 知っていたから
そんなことでは 嘆きはしなかった
愛を求めれば 人を傷つける
知っていたから 喚きはしなかった
だから自分を愛した
それは誰も傷つかないから
買えない愛を自分で作った
自分が食べる分だけ作った
そうしてここまで生き延びた
人にも少しは無償で分けてきた
僅かな愛をちぎって分けてきた
返ってくることもあれば
返ってこないこともある
少しならいい 戻らなくてもいい
また少しずつ育って増えるだろう
だけど全部はくれてやれない
すべて奪われたら死んでしまう
そうでなくとも少しずつ
愛は足りなくなっていく
嵐や日照りに見舞われて
土が死んで種が死んで減っていく
分け与えることもできないね
そうして空っぽになって
餓えて死ぬまで生きていく
人を愛せたらよかった
自分の分を投げ出して
人を愛せたらよかった
そうすれば自分が空っぽでも
誰かが分けてくれたのかな
いいえ それは
綺麗な愛をあげれたらの話
汚い愛は 誰も触れもしない
醜い愛は 路上に棄てられて
私の中にも戻せない
嗚呼 ただのゴミ
だから自分で食べよう
汚くて醜い貧弱な愛を
美味しくなくても私は平気
それで誰も傷つかない
空っぽになったら餓えて死ぬだけ
それで誰も傷つかない