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剛田奇作の部屋  〜 「青ぞら」への投 票 〜

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[142243] 青ぞら

詩人:剛田奇作

白い壁にあてた手のひらはすごく頼りない

昼間なのに壁だけが明るい小さな部屋

薬指より人指し指のが長くて三角のツメの尖った
愛しい私の手

今度
生まれかわる時は青ぞらになる


私は青さそのもの


青いかたちをしていたいのは私の手のひらも同じらしい


今度
私が私を思い出すとき

白い部屋のずっと向こうの

森の
遥か上空で

きっと青く
薄く
広がっている

プチプチした濃い緑たちを

見下ろして


アヒルのくちばしに反射したり

私は遊ぶ

湖面でうたた寝もできる

今は
手のひらと一緒に

青の陰を探すだけ

そうして
地べたに寝るだけ

暖かい地べたにも

高い青ぞら

反射して




2009/05/17 (Sun)
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