詩人:たかし ふゆ
ボールプールの中で漂うように
微睡んでいる
溺れていないはずなのに
妙に苦しい
まるでエラの無い魚のように
線はぐるぐると円を描いて
結局何処かに外れて
やがて欠落している
春先のフロリダ
フリーメイソン
フリとクリと
フルーツグラノーラ
僕らは言葉の支払いで、いつも何かが足りない
10年前の僕は
今の僕より優しく
今の僕はきっと
10年前の僕より少しも優しくない
それでも紡ぐのだ
僕らはいつも手探りのまま
不確かな円を描き続ける
不確かな道標を探し続ける
まだ見ぬ世界と
いつの日か出会う
寄り添うべき誰かの為に
【10y】