詩人:望月 ゆき
伸ばした腕の先の手のひらの先の中指の先っちょが触れるか触れないか、のところまで夏が。列車を待つ顔たち照らす陽射しの角度を知ってか知らずか右へ傾くくる夏線香花火の終わる瞬間誰を想いなにを願うのだろう世界のどこかでかわらず砲弾が飛び交っているであろうその時庭の片隅にはもぎ忘れられて今にもぱちん、と弾けそうなプチトマトが。