詩人:中村真生子
風のない雨の朝。川面に落ちた雨粒たちの丸くて小さな波紋がなめらかな水面に響きあう。青海波の模様となって…。やがて川に潜った雨粒たちは中から真珠を拾いあげ水の上へと放り投げる。落ちるたびに一つずつ…。そうして川と雨はオルゴールの楽譜となって流れてゆく。奏でているのは地球(ふるさと)の歌。