詩人:さきネコ
水晶のイヤリング揺らして
君は月夜の空を見上げた
プラスチックで作ったニセモノ
両手いっぱいに抱えて
現実にはほど遠い
たくさんのきらきらした幻の中で
僕は何を願ったのか
もう忘れてしまったけど
君の声が不意に
心の中 再生されて
その一枚の想い出に
ありがとうの言葉 貼りつけて
ひっくり返したら
それも表だった
両面印刷なら
失敗もないのかな
透明な欠片を
湖に落として
君は祈りをささげる
どうして
純白の翼は
穢れを知らぬの?
それとも君が
守っているの?
乱れた画面の向こうに
君の涙を見た気がした