詩人:剛田奇作
死んじゃった
高校生の男の子が
電車に飛び込んで
死んじゃった
近所の線路で
悲しい目をして
その時は午後三時で
私はおうちで
かっぱえびせんを食べてた
ポリポリ食べてた
一階のブラジル人の派手な奥さんも
普通に子供を遊ばせてた
街は普通だったのに
男の子だけが普通じゃなかった
もし私が偶然外にいて
男の子をみかけて
とりあえずうちでかっぱえびせん食べよ?
って言ってたら
まだ温かかったのかしら
1つでも良かった
なにか1つ
誰でもいい
彼に 逃げ場所があれば…
大人が悪い
私も悪い