詩人:あいる
もしもまだあの駆けっこが
続いているのなら
このバトンは誰につなげばいい
無菌室から眺める陽動だよ
手を合わせて願わなくなったのはいつからだろう
もしも色褪せた写生会が
続いているのなら
どの景色を描けばいい
懐中時計が君と重なるよ
涙をかきまぜる手は
痛々しかった
もしもこの手が
眼を隠すためのものなら
すべてを投げ出すための
指なら
君と絡めた体温は
どこに向かえばいい
ぬるま湯みたいな横顔だよ
だからボクのひび割れた
何かに水をさしてよ
ボクらがアンカーだ
手を広げて
バトンを放り投げて
2009/12/06 (Sun)