詩人:中村真生子
バスを降り家へ帰るいつもの道。「フィーフィーフィー」という聞きなれない鳴き声に呼び止められて見上げれば色づき始めたケヤキの木。「フィーフィーフィー」。声の主が気になってしばらく佇みやっと見つけた茶色の鳥。「フィーフィーフィー」。元気いっぱいに口笛吹いて秋の陽気を楽しんでいるようなウソの声。誰よりも最初にケヤキが色づき始めたことを教えてくれた鳥。