詩人:高級スプーン似
自分の意思とは
無関係に立たされた
スタートライン
呼吸を整える間もなく
用意
どんっ
戸惑いながらも走るけど
計画も
努力もしていないから
ペース配分を間違えて
気付けば最後尾
ゴールする頃には
夕日も暮れていて
選手も観客も
誰も居ないんじゃないか
それでも
走る意味はあるのか
レースの途中に
歩みを止めて
その場にうずくまる
後戻りできない
けれど
今から走っても
一位にはなれない
リタイアしよう
それがいい
と
本気で思っているのか
本気で思っているから
反省できずに
後悔ばかり
もっと前から
準備しておけば
こんなことには
ならなかったのに
今さら何を
生まれる前から
走り出せたら
と
ムチャクチャなことを
言っては
寝転んで
起き上がらない
朝になるまでは