詩人:鈴砂
透明な液体に詰まった甘い甘いほんの一口だけのそれを苦い褐色に注いだ僅かしか無かったそれはあっけなく沈み跡形も無く底に消え否、潜んだ一緒に飲み干すつもりだったのにそれは沈殿し其処にうずくまっただけだった紛れて消えるはずだったのにどろりと付着してまだ底にあったそうしてただ苦味だけが口に残り甘かったはずのそれはまだ此処に残り何度も過去に還る意識を抱え私は眠らぬ夜を迎えた