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詩人:阿修羅
いきたいけど死にたい
何かを殺したくて
ゆるゆると首がしまる感覚が
ずっと、ずっと離れない
息を吸った
あおいあおいそこにあるのは
わたしだったぬけがら
足かせをつけたまま
しずんでゆくうなぞこ
さあ、どこへゆけるのだろう
わたしはいつだってわからないまま
なきつづける
なげきつづける
届かない光を
明ける朝を
幾度となく見送って
こきゅうをする、呼吸をする
ただ絶え間なく
浮かんでゆく、いろんなものを見送って
愛したいけど、壊したい
曖昧な感覚をさまよって
こぼれ落ちていくあなたのかけら
拙い言葉で歌う
もはや何にもなれない
それを知っているから
わたしは何で在れる ?
誰にともなく問うた
見上げた 水面(みなも)がこんなにも眩しい
わたしは何で在れるだろうか
教えて
藍色に沈んでゆく
膝を抱えて
ふかく、息を吐く
わたしは、遠く眠るのだろう
すべてを、置き去りにして
誰にともなく歌う
さよなら、さよなら
ひとかけらで良い
覚えていて
わたしという、何かが居たこと
さよなら、さよなら
息をした、わたしがいたこと
水面を見上げた、わたしがいたこと
あなたを愛した、わたしがいたこと
さよなら