詩人:望月 ゆき
じゃんけん、
負けたからぼくが去ればいいの?
きみは勝ったのにどこかにいっちゃった
そういうのって、
最初に決めとけばよかったんだ
たぶん
ケンケンパーだったら
もっとちがったのかもしれない
明日もあさっても退屈だから
カレンダーをめくろう
蝉時雨をおぶって
8月は立っていた
ビーチサンダルもう乾いたのにね
そう言うと小さく笑った
洗濯機はガタゴトと
麦わら帽を破壊している
もう大丈夫、って
思ってた
嘘なんかじゃなく、信じてる
イメージ
いつだって8月ならとびこんでくるのは
それを見ないふりをして
ぼくは
洗濯機を止める