詩人:カクレクマノミ
冬の重りも過去の様
人それぞれ重い軽いはあるけれど
春には溶けてしまってる
瞬く間の一日が積もり
瞬く間に溶けていく
春夏秋冬の積荷は溶ける
冬には秋の積荷
夏には春の重荷
肩に残った荷物の余韻は
溶けるべきではない事の表れ
何が溶けるか
何を溶かすか
詮索してもやがては溶ける
把握の範疇はすぐに越えて
一瞬で積荷は過去の産物
余韻を大切にする人の中で
一人また一人と下ろしていく
コントロールは過剰な自信
分からないことを認めない
溶けた雪は溶けたことに気づかない
気づく間もない一瞬の出来事
美化の後の神格化
それもいずれは溶けてしまう
知っていても早めたい融解
そんな思いもすぐ溶ける
余韻だけでも残らないかと期待して
少し経てば溶けてしまってる
繰り返された果てに辿り着きたい春