詩人:亜子
僕は守られていると本能にしがみつく欲望が云う僕は歩かされていると現実を迷う歩幅が云うその真ん中掌の懐中時計のネジをきにして回し続ける日々に時折カチリと大きく響く鼓動の一音を聞き時を知るその真ん中新芽を揺さぶって灰色のアスファルトの昏迷を洗う雪解けの一音を聞き春を知る増えていく旋律は遠のくばかりにこだまする