|
詩人:甘味亭 真朱麻呂
雪解けの切なさによく似た人
冬枯れの想いよ
空にのぼりそして煙り消えろ
悴んだ季節よ
季節はずれのヒグラシ
旅ガラスは行く先も告げず旅立つ
いつものことだという人もいれば
それを悲しむ人もいる
はぐれガラスよ
旅ガラスよ
気ままなお前の
旅はいつまで続くの?
僕くらいには教えてくれても良いだろ
もう僕だって理解のある大人なんだから
せめて次の旅にでる前に
教えて 伝えて
この世であなたが一人だけ愛すと決めた
けれど別れた
私だけに自由な旅のワケを教えてよ
またなにも言わずに旅立たずに
立ち止まるあなたの背中
帽子に隠れたやさしい素顔を
私だけは知ってるから ねぇ
孤独な風気取りの旅人さん
群からはぐれた狼みたいな
真っ黒いカラスの中で一羽だけ真っ白いカラスみたいな
孤独を自称する変わり者の旅人さん
教えて。