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[149612] 飛沫く陽

詩人:トケルネコ

孤独が移ろうものだとは

海の底が乾くものだとは

魚が隠した羽根を拡げて飛び立つものだとは

教えてはくれなかった 誰も 

雲すら去き場を探すものだとは


今さらと呪い

今さらと祈り

今さらに凍える


胸に純白の茨の蔦が這い 肺に冷めた花ビラが詰まる

ただ いくつも指折った掌の皺に

赤い砂だけが零れて

右眼を塞ぐ カーテンの隙間に蒼が揺れる


さようならと 書き直された手紙

伝えてはくれなかった 誰も

孤独すら優しかったことを






2009/12/06 (Sun)
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