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詩人:まとりょ〜鹿
剥き出しのコンクリート
野晒しのコンクリートの石段ケツをつければ冷寒が走る。
山茶花梅雨の空は澄んだ水槽の暗闇。
不思議と此処は不快じゃない、冬がやって来るのに。
ポータブルから女が洒落た幸福を歌う
相容れない幸福の歌には似ても似つかわしくない声で囁く。
必ず生きてて良かったんだと歌う歌を。
誰も居ないことを口実に涙を流せ、下手くそな歌詞を車の滑り行く道に垂れ流がせ
毎時毎食欠かさず
歯が傷む口内におにぎりを流し込む
欲を充たす行為に
倦怠感を残しつつ
ちゃんと残さず流し入れなさい。
こんな街は大嫌いだ
仕事なんて無かったら間違い無く足を踏み入れないだろ。
誰もこの非常灯の下の戸を空けないで下さい。
季節がループする
カーディガンを羽織る。
呼吸をする
とっても深くて白く浮かび消えた息。
激務?倦怠?
そんなものはとおに消えたよ。
上々?下落?
感覚すらもそんなに正常じゃないよ。
幸福に準えた歌が
その言葉の意味が
過去がこの先には
何も痛くなんてなかったかのように
自分をつまらない人間に作りました。
意味なんて無いよからっぽだからすがりたい場所