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詩人:中村真生子
斐伊川にほど近い
西谷の丘陵地帯で見つかった
四隅突出型墳丘墓。
国内最大の5つのうち
4つまでもがここに存在する。
造られたのは
弥生時代の終わりの3世紀。
広げた手足のように
四方に伸びた突出部は
上で葬送儀礼をするための
アプローチではないとされている。
そして上部には4本の柱と
中央に心臓のような赤い玉。
壺や高坏などたくさんの土器を並べ
彼らはここで
どんな儀礼をおこなったのか。
古人は死者の魂は神となり
山に宿ると信じていたという。
平野と山の間の
古人の神への想いが眠る丘。
覚めやらぬ夢のように
今もその記憶が息づいている。
西谷墳墓群/島根県出雲市大津町