詩人:青央紗
腕の中に取り残された青空
君の遺伝子が陽炎と化してた
空は晴れていてみんな楽しそうに笑ってた
私に手渡してくれた君の草冠は
いつの間にか色とりどりの雪の結晶の模様
君はこんなに暖かいのに
朝はこんなに輝いてるのに
昼はこんなに賑やかで
夜は冷たさと反発して君みたいに暖かいのに
それなのに君の記憶だけが暖かさだけが
この私に取り残されて
大きいと思っていたはずの空の箱に私は閉じ込められて行く
君がくれた青空は
私の指先から大きく大きく箱の空へと放たれた
記憶の君は私の中の永遠の太陽光の残像