詩人:soul
手にしたものは
まるで初めから無かった様に
姿を消して
辺りを探しても
見つかるのは決まっていつも
くたびれて苦笑う誰かの顔だけ
昔の唄みたいに夢の中まで探すほどのものでもないと
言い聞かせては
寝ては起きてを繰り返し
なくしたそれがあるはずだった
ぽっかりと空いた場所にも
いい加減に慣れたつもりと
何度も何度も言い聞かせて
ただただ日々を誤魔化している
過ごし方も知っていたはずだった
虚しいと嘆くには
寂しいと叫ぶには
悲しいと涙を流すには
あまりに私はくだらないから
四角い窓で切り取った
夜空を見上げながら
名前も知らないただの星に
胡散臭い祈りなんか捧げてみたりして
結局全部忘れたように眠りについて
いつかの夢を見たら
また思い出して
吐き出したい言葉を飲み込むだけ