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soulの部屋


[289] 残心
詩人:soul [投票][得票][編集]

手にしたものは
まるで初めから無かった様に
姿を消して
辺りを探しても
見つかるのは決まっていつも
くたびれて苦笑う誰かの顔だけ
昔の唄みたいに夢の中まで探すほどのものでもないと
言い聞かせては
寝ては起きてを繰り返し

なくしたそれがあるはずだった
ぽっかりと空いた場所にも
いい加減に慣れたつもりと
何度も何度も言い聞かせて
ただただ日々を誤魔化している
過ごし方も知っていたはずだった

虚しいと嘆くには
寂しいと叫ぶには
悲しいと涙を流すには
あまりに私はくだらないから

四角い窓で切り取った
夜空を見上げながら
名前も知らないただの星に
胡散臭い祈りなんか捧げてみたりして
結局全部忘れたように眠りについて
いつかの夢を見たら
また思い出して
吐き出したい言葉を飲み込むだけ



2011/02/10 (Thu)

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