詩人:rei
見せる価値すら無いのだと
決め付けていた言の葉の
容易く折れやすい事
届くかもしれない
伝わるかもしれない
繋がるかもしれない
誰とも知れないあなたとの
文字によるリンク
その感情の重さ
その想いの深さ
測る為の物差しは
心なのです
溢れ出して
止まらなかったんだよ
まるで生理現象の排泄行為みたいに
他人の見世物として
恥を曝して
裸の言の葉を綴ってた
冷たい風が
染み込んだ心
不純とされる動機だけで
未熟な新芽の一つ一つを
同じような心の持ち主へと
渡せるかもしれないと思った
短絡的思考回路
日常は淡泊で単調で
彩る絵の具をあなたへ
どんなコミュニケーションよりも
詩だけで良かった
安易だけど
浅薄だけど
それしか残っていなかった
こんなわたしには
お願い
誰も奪わないで
こんな素晴らしいもの
詩と出会えた幸せ
私から
どうか
暴力にも
慰安にもなる
この詩を読む誰かが
もしかしたら明日
立ち上がるかもしれない
空砲で終わるかもしれない
それでもこの日この時
鳴り響いた調べは
この日この時だけの
小さな奇跡さ
この程度のわたしにも
授かった幸いさ
誰にも目に留められず
流すように読まれた後
すぐに忘れ去られるような
消耗品みたいに粗末に
扱われても
籠められた意味は
わたしに刻まれた傷のように
鮮やかに映える