詩人:かけてん
行先も告げずに
手を振ることもなく
旅立った
溢れる好奇心
頭の中できらめいていたあすの世界
ここがどこかも分からなくなった
頭の中のきらめいていた世界そんなところはなかった
世界を知れば知るほど悪が見え残酷を知り
今日を知れば知るほど美しく思えた
美しい日々に気付いた
だけどその美しさは残酷から成っていた
いつも嘆いていた
悪は死ねばいいと思っていた
その悪の中の一人は僕だった
それでも僕は普通に今日を生きた
たくさん笑った
残酷の上に成り立つ世界で今日も贅沢に生きた
正義を装った
日々に飽きて旅立った
その先にあったのは暗闇だった
目を輝かせ世界を見にいった
その時見たのは自分の悪だった
それでも変わらず生きていく
正義を装い
悲劇の主人公を演じ
小さな努力を誇りに思って自分から目を離している
もう一度旅立つなんて気にはなれなかった
それでも旅立ちを僕の目標とした
そしてこれからも影のこの国で生きていこうと決めた