詩人:あいる
まだ2019だって勘違いしてる扇風機に
立夏だと囁いて
湿気た空気をスクランボー
決壊することなく
涙を吸い続けた枕
でっかちなのにスカスカ
低反発から猛反発
ボクの頭をひっぱたいてよ眼はひらいてるのに醒めてないんだ
民主主義だと思ってた歯ブラシも
自分勝手で足並みが揃わない毛先
平成からの生き残り
伸びた前髪は
いい感じに令和をぼかしてる
ホットからアイスへ
ホッとから愛すへ
安心と愛は親せきらしい
挽きたての苦味を
おぼえても舌足らず
人生は甘くないらしい
マスクでのっぺらぼう
無口でも無礼講
今はラフにステイホーム
話せなくて
フリダシみたいだ
ここは音がない世界デモ
口先の愛より
指先の会話
愛しくなったらこの指とまれ