詩人:あいる
冬はそーいうもんだから
不愉快ではないな
飲まないでポケットで
握るカンコウヒー
春猫を頭に乗っけて
弾むように前へ
動線はゆるやかに
光をまとい風車
夏烏は延びた陽を
勿体ぶるように
なき散らして
ひぐらしと二重奏
秋雨は心象を映しすぎる
ときに美しすぎるんだ
どうか急かさないで
四季の死期を指揮する稲穂
怠惰にまみれた字体も
稚拙な文章も
出なかった喉仏も
届かない神風船
文字も色も声も
優劣なんてないんだ
ボクはここ
いま、ここ
君の向こうに
いま行くよ
あいらびゅ
2020/08/12 (Wed)