詩人:エリス
遠ざかっていく足音
雪を踏む音
貴方の背中
もう抱かれることはない
消えていく足跡
ずっと眺めて
降り積もる雪に崩れる
好きと言って
名前を呼んで
愛しげな声で囁いて
遠ざかる背中に縋りつくこともできなくて
私は…
雪の中倒れ貴方の名を呼ぶの
狂ったように掻き毟る肌
赤く染まり溶ける雪
冷たくなる体
もう私を暖める貴方はいない
酸素で黒く化学変化
身体中焦げたように
…そうきっと貴方に焦がれすぎたの
最期に一度貴方を呼んだ
そして「おやすみ」
覚めることの無い眠りについたなら
覚めることの無い幸せな夢を見る