詩人:運び屋
君とすごすことで たくさん嬉しいコトがあった
幸せをたくさんもらった
その反面 嫌なコトもあった
たくさん悩んだ
ある日僕は ふと思った
幸せと悩みを天秤に掛けてみよう
僕は君に関する幸せと悩みを ありったけ袋に詰める
なんでその時気付かなかったんだろう―
悩み事が入った袋を ひょいと乗せた
反対側に何もない天秤は傾く
次に幸せが入った袋を乗せようと 力を振り絞る
僕は恥ずかしくなった
幸せが入った袋は 持ち上げることすらできなかった
僕は大バカ者だ
目の前の不幸にばかり気を取られ ただ嘆き
君とすごす日々がどんなに幸せか忘れていた
僕は天秤を捨てることにした もう使わないから
使う必要がないから