詩人:檸檬水晶
女に似ている。毒々しい悪の蔓延る紫の空間だ。一匹の猫がいた。"汝、何ゆえ恐れるか。"猫の目は妖しさに鈍っていたが、わたしを恐れさせるには十分なのだ。お前が、とわたしは答えた。猫は途端に長い睫毛と輝くほど赤い唇を剥き出しにして"食ろうてしまおうか"わたしは飴色の瞳を見た。