詩人:宵待ち話
歌が聴こえた耳を澄まさなければ逃してしまう程の小さな歌風に乗って少しずつ部屋を満たしてゆく僕はゆっくりとなにも考えずに日常の音に紛れて微かにだけど確かに聴こえて来る小さなを歌に心を傾ける始まりと同じように小さな歌は唐突に終わりある午後に不意に訪れたとても澄んだ時間が終わった僕には考えなくちゃいけないこと考えたいこと考えたくないことがたくさんあったけれども今はまだもう少しだけこの暖かい涙を流していたい