詩人:ゆぅ
涙が苦いと云うから泣かなくなったわ瞳の雫落とさぬように横顔で笑って…煙りが伝う光の中で抱き合って眠った匂いが移ると云うから煙草もやめたわキスの跡を残して夢の温度は持ち去ったあなた。笑みを奪われて涙だけで過ごした私。もぅ何度目の夏かしらあなたに抱かれた後の煙草の美味さえ忘れてしまったわ…あの夏の日、砂の城のように 波が連れ去ってくれれば良かったのよ何も残らないように遠くへ…何かが残るまえにどこかへ…