詩人:色彩
この広々とした静けさは
蓄積された思考の寂しさと知る
花は散って清流に流れ
尚も乱れ落ちる美しい短調達
あぁ
目覚める雲巻きの夜よ
黒衣の男を思い出すんだ
あそこでは月が消え星だけが輝き
氷る湖を見渡して笑うんだろ
細く長いしなる枝の様な手や足
肩まで伸びた夜色の黒髪
きっと感覚すら靡かせて
爪先から降りたつように沈むその様
美しさに見とれるのは若き王か
そう
それは一緒輝く塵
瞬発を捉えぬ
驚きもなく
喜びも無い
現世
この雲竜靡く静けさの中
思考は花と共に流れ
大宇宙のどこか
風は王の短調を乗っけている
2007/08/17 (Fri)