詩人:ゼロ
君に会ったのは
僕がまだ幼かったあの日
君に初めて声をかけられたとき、僕はとても嬉しかった
君と日々を共にするうちに
君は僕にとって大切な存在になっていた
君と共にした一夏は、僕の幼かった日々の思い出の中で一際光り輝いている
山吹色に美しく輝くトパーズのように
君と離れてしまうことになったのは
住み慣れてきた家を離れることになったあの日
君と離れてしまうとわかっても、僕は何故だか特別悲しいと思えなかった
別れの言葉もなかった…
君と離れておよそ十年の月日が流れた今
僕はふと君のことを思い出した
懐かしさと同時に切なさがこみ上げてきた
何故あの時涙を流せなかったのか…
何故あの時お別れの言葉を言えなかったのか…
もし再び君に会えて、君が僕の事を覚えていてくれたなら
またあの日のころのように話したい
そして、あまりに唐突の別れを謝りたい