詩人:そほと
目の前を這う
時を背負ったカタツムリ
物陰に身を潜めるように枯れ木が立つ
季節に耐える瀕死の枯れ葉と
北風にふるえる枝との
最もきわどい接点に存在する瞳の内へ
足元の小石が瞬間移動した
ガランとした空間の
何も無い所にぶつかり
干乾びた悲鳴
全てをゆさぶる
地割れが始まる
あちこちで始まる
追い詰められた子羊
イメージの内へ飛び込む
せっぱつまって創造した母なる海のイメージへ
が
すでに
蒼々とした生温かい羊水は無く
どす黒い干上がった海の底で
つぶれた
2009/01/26 (Mon)