詩人:八朔
几帳面に体を揺らしながら
正しさを気にしながらの毎日
部屋に生活感はない
澄んでいて
自分の存在を感じない部屋
小さなころに聞いた
頭がおかしくなるくらい
大音量で流れていた音が
ぼんやり、ぼんやりと
何も言わず遠くに離れていく
僕の内側では
濁らない何かが
濁ることによって
より一層はっきり、育つ
叫んでる
その姿勢は崩れ
その声は小さくなり
心意気は萎れ
想いは蒸発した
それでも僕の声は
反響し返ってくる
山彦のよう
たまに耳に叫び声が響くと
僕の奥の方にいる自分が、
ナイフで刺されて、痛い。
耳の奥から、痛い。と。