詩人:まとりょ〜鹿
もどかしくて寂しくて口を吐いた本心の一部を
貴方は枯れた声
頷いた相槌で受話器から途切れた。
仕事場から覗いた貴方の髪が酷く伸びきっていて、仕事に追われる姿を容易く想像させた
本当にズルい。
誰かが言った
“不満ばかりを吐く女のところに愛する人は居着かない”って
夏懐かしく感じる
気が付けばもうすぐ秋になるんだね
ベンチで横に並んでも、貴方が遠く感じて笑えないの
紡ぐ言葉はどこか遠慮がちで
まるで私ばかり寂しさを押し付けてるようで
恋が終わる
貴方は笑わない
私もね笑えない
いつからこんな風になっちゃったの?口を出そうになる本音に憎悪して
もう貴方の前でどんな顔していればいいかなんて分からないの
煩わしいと思っていたら
遠慮なく私を打ち捨ててよ
ごめんね。言えないの。
私からは好きだったって言えない
キッカケを待つだけの女ってそれこそ煩わしいだけ。本当にごめんなさい。
この恋がなくなってしまうなんて
今は想像に近いのに思い浮かべたくもないの。
なのに
上手に出来なくてごめんね。もう少し待っててほしいの、ごめんね。