詩人:ユズル
薄い桃色が この街を包む頃ほわほわと 金平糖が降ってきて右側に 触れそうな体温があるあまりに 美しくて 胸の真ん中がきゅうと鳴く 涙が出そうになったこの瞬間を 閉じ込めたくてここは スノードームの内側で偽りなく それは永遠であればいいもう 濃い藍が この街を包む頃ひとり 涙に濡れた頬に 触れたのは人知れず降りゆく 白い雪だった