詩人:雪 刀寿
暖かい白が
ぼくの くらい影を 光らせ
愛を そっとほとばしらせて欲しい
君の指のはらの、淡い声で
パールのような、雪肌
その横顔の ほてりが、
急行列車の 悲鳴で 飛ぶ 夜
熱いホワイト
命を飛ばし、人々は急ぐ
すさんだ鼻息を、湯気に曇らせ
ほのかな夢は、遠い花火なのに
夏が来なけりゃ、感じられないのに
あわてて つかもうとする炎の冬に
優しさを ひとしずく、
雪のこなの とける音に
君のキス
泣かない一歩手前
暮れのテレビの、ただ色艶をぼうっと眺めて
ベビーに戻って、ゆっくり熱を見よう
汚職がどこに流れたかなんて、悔しがらずに
ただ、石油が燃えるヒーターを喜んで