詩人:aria
前に倣え
先頭は腰に手を
足並み揃えて
右足から一歩
昨夜
夢の中で
在るはずの無い
鎖を見た
引き千切ろうと
試みるあたしを
母が叱った
ねぇ
放射状に飛沫
幼い頃に割ったびぃ玉
掴み取った光の欠片
硝子の破片から一雫
海の深くで
君が泣く
揺れる
揺れる
揺れる
水面に映った
おぼろげな虚像は
きっと
あたしだった
きっと
あたしだった
過去に倣え
引き摺る事を
糧と誤解
前進なら一興
今夜
隣に座った男は
君と
同じコロン
掻き消す香は
錯乱
立ち上がれぬのは
脚か気持ちか
ねぇ
平行線に葛藤
幼い頃は透けてたびぃ玉
かざした光に屈折
混ざりものの将来像
空に遠くで
君が泣く
叫ぶ
叫ぶ
叫ぶ
漂う雲の如く
千切られたのは
きっと
あたしだった
きっと
あたしだった