詩人:奏
虚無感が蝕み
今日もまた眠れない
いつもなら余裕で寝ている
夜の長い時間
記憶では流れなくなった涙は
無関係な所で溢れる
生きているということが
私には大きすぎて
窮屈に詰め込まれている
心にも無い言葉が
口からポロポロと出て
死ということが
私には小さすぎた
ぽっかりと空いた穴は
無くなる記憶と共に
痛くなくなったけれど
どうしようもない消失感は
無くなってくれないんだ
無理矢理目を閉じて
ぬいぐるみを抱き締めた
何も言わないぬいぐるみさえ
私に問いかけてくる気がして
ねぇ
私が生きることで
貴女は笑ってくれますか?