詩人:未知
明けない夜はないとか
止まない雨はないとか
すりきれそうなフレーズが
慰めてくれたのは過去のこと
生きてるあいだに空が
明ける気がしなくって
死んだその瞬間に素直な
朝を受け容れられそうで
生きてるあいだに雨なんか
止みそうになくって
死んだその瞬間にやっとすべてが
晴れるのかもしれない
期待して泣いた日は
遠い遠い過去のこと
僕はすっかりダメな大人に
心底嫌っていた
あの大人の一部に
成ってしまっている
くだらない考えばかり
横切っては自爆する
そのたびに目が合う
ずっとうんざりしている
僕らの未来は尊いと
誰かは言ったはずなのに