詩人:まとりょ〜鹿
優しい嘘
見え透いた嘘
悲しい嘘
大人はいつだって
舌先から滑らかに嘘を吐く
謙遜だってそうだ
社交辞令なんかもそうなんだ
もう胸なんて痛まないんだ
虚像と軋轢が嘘を上手にしたんだ
子供の頃は
どんなに些細な嘘でも
先生が廊下に立つように言いつけ
嘘がどれだけ傷つけるかを説くんだよ
さぁ、
明日にでも地獄の門前に立って
その滑らかな舌を差し出して御覧よ
閻魔様にちょんぎって貰いなさい
あなたの優しい嘘は
私には悲しい嘘だ
その滑らかな舌は
私には凶器でしかない
大人よ、
あんまり絶望させないでおくれ