詩人:望月 ゆき
やわらかく夜は
わたしと明日のあいだを流れてゆきます
あなたは
向かいあう見知らぬひと、や
すれちがうたいせつなひと、や
ほんの1ミリのすきまでとなりにいる
わたし、
が
ふいに消え去ってしまったときに
ただ、ひたすらに
ねむってすごすようなひとでした
やわらかく夜は
わたしと明日のあいだを流れてゆきます
わたしは、といえば
なんにも見えないすきまに
ときどき、
チラリと視線をむけては
そのたびに
笑ってしまって、困ります
笑うことしかできなくなって
わたしは
夜のまにまに、
同時になにかを
うしろ手に落としながら
明日につづいている
であろう道を
歩いています