詩人:遥 カズナ
不注意もきっとあって
仕事柄だとしても
何本もの指が
絆創膏だらけだ
忙しさに追われ
爪先は真っ黒で
萎びてきた絆創膏の上から
さらに絆創膏をしてやるから
寒くて乾燥する時期には
他の指もささくれて
見せられたものではない
指によく怪我をする人間は
周囲の人を傷つけるたちがあると
聞いた事がある
迷信でもない、と思う
家に帰れば
育てているはずの
小さな観葉植物が
大きく育たないよに
伸びてきた葉は
切ってやっている
葉を切り落とす時
心の中の何処が
わずかに軋む
それでも
絆創膏を新しく
取り替える事くらいしか
やれることはない