詩人:朱雀
雲居の空をも染め尽くす
薄紅に酔う桜人(さくらびと)
天与の美を愛(め)で
わが世の春と 思い違いの浮世を謳歌
浮かれ騒ぎの脇を抜け
遠(おち)の宴(うたげ)を眇め見る
わき道の坂に睡花(ねむりばな)
熱を孕んだ眼差しを
奪い取る気は さらさら無いと
零桜(こぼれざくら)に惜しみ顔
春のつれづれ消閑に
古(いにしえ)語りの拾い読み
素気ない素振りの海棠は
水のほとりの花和尚(かおしょう)の
背に咲き懸かり どんな夢を見たのやら
紅の蕾が世塵を眺め
風に靡いて締笑(しめわらい)
近頃、詩画に凝ってまして、この詩もイラストをつけました。
良かったらそちらも見てやって下さい。↓
http://homepage3.nifty.com/complass/Text/Poem/p-n55_2.htm